海外に旅行に行かれる方で、あまり実施されないのが狂犬病などの感染病に対するケアです。
特に、観光であれば、滞在期間も短いためその対応をおろそかにしがちです。
ただ、この狂犬病をはじめとする病気に対するは、観光であろうと、駐在であろうとリスクは変わりません。
私が駐在するにあたっては、
- A型肝炎
- B型肝炎
- 腸チフス
- 狂犬病
- 破傷風
の5種類の予防接種を受けて、渡航しました。
特に狂犬病は致死率がほぼ100%であるため特に注意が必要です。
つまり発病したらほぼ間違いなく死亡することになります。
狂犬病に対する注意喚起
狂犬病について、外務省のHPのベトナムのところで、以下のような記載があります。
狂犬病とは
狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有しているイヌ,ネコ,コウモリ,サルなどに咬まれる等により感染します。
狂犬病患者の多くはメコンデルタ地域からの報告ですが,動物の狂犬病はベトナム全土で確認されています。
狂犬病の感染の疑いのある動物にかまれたときの対応
狂犬病ウイルスを保有している可能性のある動物に咬まれた場合は直ちに傷口を良く洗い,できればアルコール消毒し,速やかに医療機関を受診して発症を予防するためのワクチン接種(暴露後免疫)等の処置を受ける必要があります。
狂犬病のリスクのある動物と接する機会が多い場合や咬まれても直ぐに医療機関を受診できない環境で生活する場合には予めワクチン接種(暴露前免疫)を受けておくことが勧められます
2017年に全国で犬にかまれた人は50万人余りで,狂犬病によって死亡した人は74人に上ると保健省は報告しています。
狂犬病予防注射の接種率は60%に達していません。
~外務省HPより
海外での動物に対する対応
狂犬病はその名から犬しか持たない病気と勘違いされがちですが、ネコ,コウモリ,サルからも感染します。
ハノイを散策していると野良犬がうろうろしていたりします。
しかし動物には決して近づかないでください。
もし近寄ってきても避けるようにしましょう。
万一かまれ、狂犬病に感染した場合は、ほぼ助かる見込みがありません。
ときどき、店の中に飼い犬や猫がうろちょろ歩いていたりしますが、日本と同じように、かわいいなと動物の頭をなでたりするような動物との接触はもってのほかです。
ご注意ください。
日本での狂犬病感染例
日本国内では、1956年でのネコによる狂犬病発症事例から、80年以上発生しておりません。
輸入感染事例としては、狂犬病流行国で犬に咬まれ帰国後に発症した事例が、昭和45年(1970年)にネパールからの帰国者で1例、平成18年(2006年)にフィリピンからの帰国者で2例ありますが、どちらの方もお亡くなりなられています。
追記;2020年5月22日 狂犬病と診断された患者が確認されました。
世界の狂犬病の発生状況
日本のように狂犬病洗浄国というのは世界では非常にまれで、諸外国では常にこの狂犬病の感染リスクがあることを認識しておいてください。
こちらが厚生労働省が出している狂犬病の発生状況の地図です。
地図を見ていただいてわかる通り、狂犬病洗浄国を示す青色の地域はほとんどなく、狂犬病発生地域を示すオレンジ色が世界のほとんどであることがわかります。
ベトナムの狂犬病発生状況
ベトナムは、その中でも狂犬病の死亡推定360人と、狂犬病発生地域の中でも特にひどい地域となります。
日本とベトナムでの命に関わるような重要な違いは、知っていることで行動に大きな違いが出てきます。
まとめ
- 海外では感染症に注意。日本と異なる。
- 狂犬病は致死率ほぼ100%
- 日本は狂犬病洗浄地域であるが、世界ほとんどの国は狂犬病発生地域
- 狂犬病などの感染症には予防接種が効果的
- 観光でも駐在でも、感染症にかかった場合の影響は同じ
最後までお読みいただきありがとうございました。